VOL.98 世界最古の香水
コラム
「ケルンの水」
アロマや香水に興味がある方ならば、一度はどこかで聞いたり目にしたりしたことがあるかもしれませんね。
このケルンの水、「オー・デ・コロン」という言葉の語源となったものです。
フランス語で「Eau de Cologne(Cologne=ケルン、その水)」なんですって。
17世紀、イタリア人の
「ジョヴァンニ・パオロ・フェミニス(1670〜1736年)」
が、ドイツのケルンで販売したのがこの「ケルンの水」。
いわゆるイタリアの芳香水で、最古の香水と言われています。
イタリアで「アクアミラビリス(素晴らしい水)」という名前で販売され、大流行したようです。
香りを純粋に楽しむ水として販売されたケルンの水は、上質のアルコールとベルガモットを中心とした精油で作られていました。
このベルガモットは後々アールグレイ(紅茶)の香りづけに使用される香料としても有名です。
ジョバンニの甥、ジョヴァンニ・マリア・ファリーナ(1685〜1766年)が彼の製造を受け継ぎ、その後、ロジェ・ガレ社に売却します。
ロジェ・ガレといえば、フランスの老舗ブランドですよね。
ケルンを占領したかのナポレオン1世は、ジョヴァンニ・マリア・ファリーナが開発しオー・デ・コロンを、特注の筒型の瓶に入れて愛用したと言われています。
なんとひと月に60本以上もの筒型瓶ケルン水をつけたという話ですから、よほどこの香りが気に入っていたのでしょう。
ベルガモットの香りは気持ちを高めてもくれますから、トップに立つものとして、自分自身を鼓舞するのにも役立ったのかもしれませんね。
(島みるを)
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