VOL.103 アロマテラピーをはじめて医療に活用した人物とは
香育活動
フランスの軍医ジャン・バルネ
“医師”という立場で、精油を医療現場に本格的に導入した人物です。
彼は、前回ご紹介したルネ・モーリス・ガットフォセと並び、
近代アロマテラピーの発展に貢献した重要な人物です。
ジャン・バルネ(1920〜1995年)
本来、外科が専門でしたが、微生物学や衛生学、法医学など幅広い領域を
研究していた医師でもありました。
1950年代に現在のベトナム・ハノイ市にあたるトンキンに駐留し、
負傷兵の治療に当たりました。
このとき、フランスから持ち込んだラベンダーや、オーストラリアから
送られたティートゥリーなどの精油を、傷をおった兵士たちの
治療用として活用したのです。
実験的には、ルネ・モーリス・ガットフォセが行っていましたが、
医療に精油を本格的に導入させたのは、ジャン・バルネが初めてです。
この時の成果は1964年の『AROMATHERAPIE』にまとめられました。
これまでアロマテラピーは呪術など非科学的なものとしてイメージされることが多かったのですが、ジャンはアロマテラピーを「科学的」に扱い、実際の医療現場に活用する方法を人々に啓蒙していったのです。
1973年には精油の抗菌力を測定する手法を開発し、
それを『アロマトグラム』と名付けて発表しました。
現在は、アロマテラピーを治療の一環として行うクリニックがあります。
これもジャン・バルネが切り開いた道なのだと思うと感慨深いですよね。
(島みるを)
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