VOL.107 香りが脳に与える影響を、科学として証明した日本人
コラム
これまで海外の香りの歴史、重要人物をご紹介してきましたが、
今回はいよいよ日本の香りの権威のご紹介です!
東邦大学名誉教授の鳥居鎮夫氏(1924-2012)は、
日本アロマテラピー学術研究において、先駆者的存在の人物。
大脳生理学の権威である鳥居氏は、
『随伴性陰性変動(CNV)』
と呼ばれる特殊な脳波を用いて、香りによる心理作用を実証しました。
CNVというのは、わかりやすく例えると…
信号を「早く青信号にならないかなあ」と待っているとき
前頭葉の働きが活発になるそうで、そのときに出てくる脳波
……とのこと。
脳波が大きくなると「興奮状態」、小さいと「鎮静状態」を表すそう。
この実証により、
ジャスミンやバジル、ローズ、ペパーミントは脳が「興奮状態」
ラベンダーやカモミール、レモンは「鎮静状態」
になることがわかりました。
これまで、経験値として
「この香りは落ち着くなあ、
この香りはやる気がでるなあ」
「なんか、この匂いは気分が
良くない…」
とぼんやりと思われていたことを、科学として証明した…
ということですね。
鳥居氏の著書には
『アロマテラピーの科学』
(朝倉書店)
『香りの謎』
(フレグランスジャーナル社)
『嗅脳—嗅脳刺激で感情コントロールの達人になる!』
(イーハトーヴフロンティア)
など、香り好きにとって面白そうなものがあるので、
興味がある方はぜひお手にとってみられてはいかがでしょうか。
(島みるを)
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