VOL.104 マルグリット・モーリーが開発したこと
コラム
ルネ・モーリス・ガットフォセ、ジャン・バルネと並び、
「近代アロマテラピーの建設者」
と称された女性、マルグリット・モーリーをご紹介します。
マルグリット・モーリーは、
「精油を植物油で希釈して塗布する(トリートメントを行う)」
という手法を世の中に広めた人物です。
オーストリア生まれウィーン育ちのマグリット・モーリーは、
第一次世界大戦中に、父親・夫・息子を立て続けに亡くしました。
その後、失意のどん底から立ち直るために、マグリット・モーリーは
外科助手(看護師資格のひとつ)の資格を取得します。
外科医のもとで働いていたマグリット・モーリーは、
フランスのシャバーヌ博士の著書
『芳香物質の大いなる可能性』
と出合います。この一冊が、彼女の研究の基礎となったのです。
のちに、ホメオパシー医のモーリーと二度目の結婚をした
マルグリット・モーリー。
ホメオパシー(同毒療法)、自然療法、整骨療法など、
ホリスティックな研究を夫と共同で進めていきました。
またインドや中国、チベットの伝統的な医学や哲学も研究しました。
そのなかで、精油を植物油で希釈した
トリートメントオイルを開発。
そのオイルでのマッサージを
提案していきました。
これは、これまでの精油の扱われ方とは
異なり、精神と肉体のアンバランスを
正常化する方法論でした。
1961年には研究の結果をまとめ、
『生命と若さの秘密(別名:もっとも大切なもの……若さ)』を出版。
のちに英訳されて、イギリスで高評価を得たマグリット・モーリーは、
イギリスのアロマテラピー界に大きな影響を与える人物となりました
マグリット・モーリーがいなかったら、現在のアロマテラピーの
サロンは存在しなかったかもしれない……。
アロマテラピーを健康だけでなく「美」につなげていったことが、
マグリット・モーリーの大きな功績といえるでしょう。
(島みるを)
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