VOL.111 ジャパニーズ・アロマテラピー
島みるをさん
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前回「香道」についてご紹介しました。
茶道や華道と同じく、動作の中に精神的な落ち着きを求める日本古来の芸道で、
この香道にはおもにふたつの流派があります。
今回はこの流派のお話をご紹介します。
現在、香道には
『御家流(おいえりゅう)』
『志野流(しのりゅう)』
の二流派があります。
発祥は室町時代。
公家であり学者でもあった三條西実隆公からはじまりました。
彼は、足利義政が造営した『東山山荘』に集う文化人のひとりだったとも言われています。
この『御家流』が途中から分かれて始まったのが『志野流』
開祖は志野宗信(しのそうしん)です。彼は『聞香(もんこう)』
と言われる、香木をたいて楽しむことに造詣が深かった人物。
とてもざっくりとした説明になりますが…
『御家流』は貴族や公家の流派
(基本は「香りと雰囲気を楽しむ」ことや、風雅な遊びで心の
余裕を得ることを目的した香道)
『志野流』は武家の流派
(どちらかというと「精神修養」に重きをおいた香道)
……という感じだそうです。
香道具も流派によって異なるようで、
『御家流』は蒔絵の美しい漆器を使用し、
『志野流』では桑製の木地などを使用するとのこと。
ところで、今回この記事を書くにあたって、はじめて知った
『聞香(もんこう)』という言葉。
なんども舌の上でころころと転がして味わいたくなるような、素敵な言葉です!
「香りに聞く」なんて、本当に日本ならではの奥ゆかしい表現ですよね。
香道は、花道や茶道のようにメジャーではありませんが一度くらいは体験して
単に「香りをかぐ」のとは異なる
「香りを聞く」または「香りに聞く」
ことをやってみたくなりました!
(島みるを)
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