VOL.113 バブル崩壊と大震災がきっかけに
コラム
日本で「アロマテラピー」が広まったきっかけとなったのが、1985年に翻訳出版されたロバート・ティスランドの著書『アロマテラピー〈芳香治療〉の理論の実際』です。
アロマテラピーのパイオニアとして世界にその名が知られているロバート氏の最初の本で、現在では世界で10ヶ国語に翻訳・出版されています。
また、彼のプロダクツ『ロバート・ティスランド』製品は、アロマテラピー業界のリーダー的存在。
高品質の製品として、セラピストやアロマ愛好家のなかで評判が高い商品なので、ご存知の方も多いかもしれません。
アロマ界のパイオニアの翻訳本をきっかけに、日本に徐々に「アロマテラピー」が浸透していくわけですが、その経緯のなかで忘れてはならない出来事が起こります。
それは『バブル経済の崩壊』、そして『阪神淡路大震災』。
このふたつの衝撃的な出来事は、好景気で浮かれて興奮していた私たちの気力を一気に削いでいきました。あとに残ったのは無気力、疲労感、不安感。
このふたつの出来事を経て、今度は一気に「癒し」を求める人々。
こうしてアロマテラピーが急激に浸透していくのですが、そこで問題が勃発。
「精油の安全な使い方・活用法の標準化」がなされないまま広がっていくことの危険を、専門家たちは懸念し始めました。
そんな状況下で設立されたのが、『日本アロマテラピー協会(AAJ)』です。
次回は、このAAJ発足から現在にいたるまでの「アロマテラピーの健全な発展と普及啓発」を目的として設立された団体についてご紹介いたしますね。
(島みるを)
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