VOL.82 アロマの歴史①古代エジプトから活用されてきた「香りのちから」
コラム
今回から、「アロマテラピーの歴史」についてご紹介していきます。
香りの歴史はとても古く、その始まりは古代(紀元前)とも言われています。
今回は、紀元前の「香り」エピソードをいくつかご紹介いたしますね。
まず、紀元前3000年頃。
古代エジプトではすでにハーブは、「ハーブティ」や「ハーブオイル」として使用されていました。
古代エジプトといえば「ミイラ」を思い浮かべますが、そのミイラ作りには、「フランキンセンス」や「ミルラ」の精油が「神の薬」として使用されています。
また紀元前1000年頃のインドでは、神々に捧げる讃歌集『リグ・ベーダ』のなかに、アーユルベーダの源流を見て取ることができるようです。
アーユルベーダとは、みなさんもご存知の通り、インドやスリランカの伝統療法ですが、3000年以上の歴史を持つことを考えると、アーユルベーダがいかに人々の心体に影響を与え、整えてきたか……がわかりますよね。
旧約聖書には「シバの女王からソロモン王へ、乳香(フランキンセンス)や白檀(サンダルウッド)などの香料が贈られた」という記述があります。当時からこれらの香料は、貴重かつ重要なものとして大事にされて来たことがわかるエピソードです。
古代ギリシャでは、「医学の父」とされるヒポクラテスが、病いを科学的にとらえて西洋医学の礎を築きました。ヒポクラテスは、マッサージの効果を医療や健康づくりにとりいれた第一人者でもあります。
(ギリシャとペルシャの中間に位置する国)では、アリストテレスに哲学を学んだアレキサンダー大王が東方に遠征しますが、その際、ハーブやスパイスを交易品とした……とされています。
紀元前もの昔から、ハーブまたはその香りのもとは大変貴重なもので、また体と心に密接な働きがあることを知っている人たちの間で活用されたり、外交取引のアイテムとして利用されてきたことがわかりますよね。
次回は、古代・紀元後のアロマの歴史をご紹介いたします。お楽しみに!
(島みるを)
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