VOL.83 アロマの歴史②植物のちから🌿~古代・紀元後~
コラム
博物誌家「ガイウス・プリニウス・セクンドゥス」
ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、古代ローマの博物学者であり政治家・軍人でもあった人。
プリウスは、古代ローマ帝国の海外領土総督を歴任するかたわらで、地理学・天文学・動植物学などあらゆる自然界についての知識をまとめた百科全書『博物誌』(全37巻)をまとめました。
この著書のなかで、現在のアロマテラピーにもつながる植物や薬草についての記述を見てとることができます。
ただ、必ずしもプリウス本人が実際に見聞きしたり検証したりした事柄だけをまとめたものではなく、100人の著者による2000巻の本を参照にしたものがほとんどらしく、自身の調査と伝聞、迷信などがないまぜになったような書物のようです。
そのため、科学的根拠がないものもあり、現在からみると間違い記述も多いと指摘をされていますが、確実に後世へ「植物の力、香りの力」を残した著書であることは間違いありません。
彼の最期はなんとも壮絶で、かのヴェスヴィオ火山の大爆発で亡くなっているのです。
自然を愛した学者らしい最期ではありますが……。
プリウスの人物像・人生については、漫画家のヤマザキマリさん(『テルマエロマエ』で有名)&とりみきさんの合作『プリニウス』(新潮社)で、マンガとして描かれていますので、興味のあるかたはぜひチェックしてみてくださいね。
(島みるを)
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